<3> ダナン
そのバイクタクシーは、なかなか速かった。
もともと、自身もバイクに乗っていたので、実をいうと車よりバイクの方が街の雰囲気なんかも味わえて楽しいのだ。
荷物のバックパックは自分の背中にかついだ状態だ。運ちゃんに急いで急いでとせかしたせいか、空港には10時前には着いてしまった。
ダナン行きのチケットは簡単に買うことが出来た。もし空席がなかったら、と、心配していたんだけど。ついでに帰りの便を訪ねたら、ベトナム航空の時刻表をくれた。
ダナンに飛んで、ダナンからフエには汽車か車で移動し、フエからサイゴンへ再び飛んで戻る。帰りの便は、っと、お、毎日は飛んでないんだな、と、もらった時刻表を読みながら、搭乗時刻を待つことしばし。
でも、外国の空港での英語のアナウンスって、よく聞き取れないのだ(悲しい語学力!)。しょうがないので、まわりの人の動きに気を配り、みんなが動き出したら自分も動く、といういかにも日本人らしい方法で行くことにした。
ほぼ予定の時刻にまわりの人が動き出したので、お、時間かと思い、自分も立ち上がろうとした。が、ちょうど横にすわっているベトナム人の女の人たち二人連れが英語で話していたので、(お、英語が通じる)とおもい「この便はダナン行きですか」ときいたら、「いいえ、一つ前の便でしょう」と英語での返事。
少し英語で話しをしていると、突然その女の人が日本語で「日本のかたですよねぇ。」と言ってきたのだ。びっくりである。話しをきくと、その人はサイゴン留学中の日本人だった。
空港で会ったその人は、米国のシアトルの大学に勤める日本人で、サイゴンに留学して来ているNさんという人だった。いっしょにいたもうひとりの女性はほんとのベトナム人のBさんというムスリムで、Nさんの友達だった。
ベトナム人のBさんはサイゴンで英語の教師をしていて、それで、Nさんとは英語で話していたのだ。(よく考えればベトナム人同士が英語で話すわけないか)
「よく、ベトナムなんかに観光で来ましたねえ!」
僕が観光で旅していることをいうと、ちょっと驚いたようだった。 こっちとしては(よく、ベトナムなんかに留学しに来ましたねぇ)と言いたかったのだが。
Nさんは、サイゴンに住んで、チャム族の研究をしていてるという。
「へっ?、はぁ、チャム族、ですか?」
現在ではベトナムの少数民族となったチャム族は、その昔、現在のベトナムの広い地域を治めていた有力な民族だったそうだ。しかし、その後ベトナム族に追われ現在は少数民族になってしまった、といったことをきいたんだけど、僕としてはここらへんの知識を全く持ち合わせておらず、ただうなずいていただけだった。
一緒にいたBさんはチャム族の人で、これから二人でダナン経由でチャム族の古都の遺跡ミソンに行くという。そうこうしている間に、ダナン行きの便の搭乗手続きがはじまり、われわれは、ダナンに向かった。
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