<1> サイゴン
(いきなしホーチミン市から話しは始まりますが)
観光船の客引きがやかましいサイゴン川沿いの公園から、少し離れた渡し船の船着き場で、ぼんやり川辺をみていると、そこで船を待っていたおばちゃんが話しかけてきた。
「どこから来たのか?、日本人か?、これからどこに行くのか?」
そのおばちゃんは、英語が話せるのであった。
「私は、日本人のファンだ。この川の向こうに私の家がある。いまから一緒に家に来ないか?」
ずいぶんすすめるので、不安はあったが、お邪魔することにした。
川の向こうの家は、まあ、あまりいい家ではなかった。が、可愛い男の子がいて、壁には家族の写真がたくさん張ってあって、おばさんはいちいち写真の説明をしてくれるのだ。
「この子はアメリカ人と結婚して、ロサンゼルスに住んでいる。幾らかのお金を送ってくれるんだよ。」
と、自慢げに話す。その横で、男の子が、珍しそうに僕の方を見ている。 僕の持っている「歩き方 フロンティア」をその男の子がとって、読み始めた。あるページで目を止め、おばちゃんにそのページを見せて騒ぎ始めた。みると、歩き方のコラムにそのおばちゃんの事が載っているのだ。
( *. 93年時点で「歩き方ベトナム編」はまだでてなかった)
サイゴン川で知り合いになったおばさんの家を訪問した翌日、一緒にビーチに行くことになった。おばさんと子供と僕と、3人だ。
僕の泊まっているサイゴンホテルの前で、朝7時に待ち合わせ。乗合のマイクロバスに乗って1時間くらい。
着いたビーチはブンタウというところで、サイゴンでは有名らしい。そこで、浜辺の寝椅子にねっころがって、やってくる物売りの相手をしたり、おばちゃんと話しをしたり、、、。
ちょうどいい天気で、ビーチは人でいっぱいだった。ま、日本に比べると、着ている水着がちょっと野暮ったかったり、タイヤのチューブ(あの黒いやつです)を浮き輪がわりに使って浮かべていたりするのであるが、雰囲気は日本の海水浴場そのままである。
物売りが竹かごに入れたゆで卵を持ってきた。おばちゃんがその卵を買って、僕にも食べるようにと、渡してくれたが。
おばちゃんの食べるのを見ていると、ちゃんとスプーンの背を卵にぶつけて、上品な食べ方をする。さすが、フランス仕込み、と感心していると、、。
う、う、うわぁー、ぁ、卵の中から出てきたのはぁ、卵の中で成長途中で死んだ鳥のひなだったのだ。卵の中で水につかった状態のそのひなを、おばちゃんはうまそうに食べるのだ。おいしいから、と、僕にもしきりに進めるのであるが、さすがに、これは、食べれたもんじゃあない。こっちの人って、どうしてこんなものが食べれるのか。
日本の中古車が、そのままの塗装で我が物顔に街を走ってます。
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