
ほぼ垂直に切り立った崖ですが、中ほどに四角く穴がほってありまして、そこには死者に似せて作られた木の人形が、ちょっと古ぼけていますがちゃんと服を着て、現世を見下ろしているのでした。
穴の中の人形は、しかし、ちょっと、不気味でして、夜一人で行けといわれたら考えてしまいますね。
規模にもよるのですが、岩穴の中には幾体もの人形がありまして、ずっと古くからの家族なのです。日本の先祖代々の墓みたいなもんです。

実はこの人形を作る木は特別な腐りにくい木だそうで、また、手彫りということもあって、人形の価値は高く、そのため人形をねらった泥棒がたまに出るそうです。りっぱなお墓の場合、お墓に見張り番がついていて、夕方になると鍵をかけるところもありました。もっとも、ここはたいそう立派な人形がたくさんおいたったので、観光客向けのところだったのかもしれません。

水牛のモチーフは、トラジャのあちこちに見受けられるものです。
これは岩肌に木で作った水牛の頭をとりつけてあり、やはりお墓の一種です。赤と黄色と白と黒、この4色はそれぞれに意味があり、トラジャの家の壁にもよく見られます。